売れない中古住宅の特徴とその対処方法について徹底解説!

今回の記事では、売れない中古住宅の特徴とその処分方法について解説していきます。

売れない物件にはそれぞれ特徴があり、それらをうまく対処しながら最短で売却していくことが最大の目的と言えるでしょう。

売れない中古住宅の特徴

売れない中古住宅には以下の6つの特徴があります。

  • 建物の劣化・損傷が著しい
  • 築年数が古い
  • 立地の利便性・環境が悪い
  • 売り出し価格が相場よりも高い
  • 内覧時の印象が良くない
  • 仲介での売却において不動産会社が売却活動に積極的に動かない

ここからはそれぞれについて解説していきます。

建物の劣化・損傷が著しい

建物の劣化や損傷が進むと、家が売れにくくなることが多いです。特に以下のような劣化が顕著だと、購入希望者が見つかりにくくなることがあります。

  • 住宅設備が古く、特にトイレやキッチンの水回りが劣化している
  • 建物内部に汚れや損傷がある(床がきしむ、床板が抜けるなど)
  • 外壁や屋根が損傷している(外壁の剥離、屋根からの雨漏りなど)
  • シロアリの被害が存在する

これらの劣化は生活に支障をきたし、住み心地を悪化させるため、購入者が快適に住むことを想像しづらくなります。

また、修繕が必要な家は、その修繕費用が高くなることが買い手にとって大きな不安要素となり、売却が困難になることもあります。

築年数が古い

築年数が古い家は売れにくい傾向にあります。近年、自然災害に耐える住宅を求める人が増えていることも、その理由の一つです。

築年数の経過は、単に建物の劣化だけでなく、耐震基準に関する問題も引き起こします。

建築基準法における耐震基準は、建物の建築申請の時期によって異なります。

  • 旧耐震基準:1981年5月31日までに確認申請をした建物
  • 新耐震基準:1981年6月1日以降に確認申請をした建物

旧耐震基準で建てられた家は、耐震性が不十分である可能性が高く、日本のように自然災害が多い国では、地震や台風での損傷や倒壊のリスクが懸念されます。

さらに、住宅の建物価値は築年数とともに減少し、一般的に戸建て住宅は築20年を過ぎると資産価値がほぼなくなるとされています。

立地の利便性・環境が悪い

家を選ぶ際、立地の利便性や環境は重要な要素となります。以下のような条件では、物件への需要が減少する可能性があります。

  • 最寄りの駅やバス停が遠い
  • 踏切や高速道路など、騒音の発生源が近くにある
  • スーパーや学校、病院が遠くにある
  • 近くに川や崖があり、災害リスクが高い場所

これらの条件は、住む上での不便さや安全性の懸念を引き起こし、物件の魅力を低下させる要因となります。

売り出し価格が相場よりも高い

相場より高い価格で物件を売り出す場合、特別な魅力がなければ検討されにくいでしょう。

  • 周辺の物件よりも高価格で設定している
  • 利益を追求して、類似物件の過去の取引事例よりも高い価格で売り出している

このような状況では、買い手が見つかりにくくなる可能性が高いです。

中古物件を購入しようとする人の多くはコストを抑えたいと考えており、価格を重要視します。

そのため、競合する物件と比較して高価格である家は、購入候補から外されがちです。

内覧時の印象が良くない

内覧は、物件に興味を持った購入希望者にとって、購入を決断するための重要な機会です。

購入希望者は、内覧を通じてテキストや写真だけでは感じ取れない物件の魅力や、実際にそこで生活するイメージを探ります。

もし内覧で悪い印象を受けると、購入を見送る可能性が増えます。

以下のような点が物件の印象を損ねる要因となり、多くの内覧があっても購入に結びつかないことがあります。

室内の清掃が十分でない

  • 物が散らかっていて整頓されていない
  • タバコやペットの臭いが強い
  • 日当たりが悪い、騒音があるなどの周辺環境の問題

さらに、物件自体に問題がない場合でも、売主や不動産会社の対応が不十分であれば、購入者が不安を感じ、購入を断念することもあります。

仲介での売却において不動産会社が売却活動に積極的に動かない

家の売却では一般的に、仲介経由で売却する場合と買取業者に売却する場合の2種類があります。

仲介経由で売却する場合、仲介会社は売主の代わりに売却活動を行いますが、家が魅力的であっても、仲介する不動産会社が十分な努力をしなければ売れ残ることもあります。

売れにくい状況を招く例としては、以下のようなケースがあります。

  • 担当者の営業力が足りない
  • 売却が苦手な不動産会社を選んでしまった
  • 専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んでおり、他の不動産会社による販売活動が制限されている

これらの状況は、売却プロセスにおいて売主が意識して選択や改善を行うことが求められます。

売却するための対処法

ここからは、上記のような物件の課題がある中でどのように売却を進めていくかについて解説していきます。

具体的には以下の5つの手法により売却を進めていきます。

  • 不動産買取サービスを利用する
  • 売り出し価格を見直す
  • 不動産会社を変更する
  • ホームクリーニングや整理整頓をする
  • インスペクションを利用する

ここからはそれぞれについて解説していきます。

不動産買取サービスを利用する

まず、一番効果的な対処法としては、買取業者に売却することです。

不動産の売却では、仲介経由で売却する場合と買取業者に売却する場合があると説明しました。

そのうえで、売却がうまくいかない場合、物件に問題があることが多いでしょう。

築古だったり、周辺環境が悪かったり課題は様々で一般の人にはリスクを過剰に判断している場合も多いです。

一方で、買取業者であればそのような不動産に付加価値を付けて売却することでビジネスを成り立たせている実績があり、その経験から一般の買主が購入できない物件でも買い取ることが出来ます。

特に、売却に時間が長く掛かっている場合には不動産買取業者に声掛けして簡易査定などを取ることが良いでしょう。

売り出し価格を見直す

物件が長期間にわたって売却できない場合は、売り出し価格の見直しを検討しましょう。

価格を見直す際には、周辺の競合物件と比較して、設定されている価格が適切かどうかを分析します。

もし競合物件よりも価格が高く設定されている場合、価格を調整することが効果的です。

ただし、価格を無計画に下げると売却益が減少してしまう可能性があります。

そのため、不動産会社と協議し、無理のない範囲での価格調整が重要です。

また、家が注目を集めるよう、値下げのタイミングも重要です。

不動産市場が活発化する時期(通常は1〜3月)を見計らって価格調整を行うと、売却につながりやすくなります。

不動産会社を変更する

不動産会社の売却活動に不満がある場合、会社を変更するのも良い選択です。

不動産会社を変えることで、売却のアプローチが新しくなり、より積極的に購入希望者に家をアピールすることが可能になる場合があります。

新しい不動産会社を選ぶ際には、以下の点を確認することが重要です。

  • 対象エリアでの実績が豊富であること
  • 売却活動が多岐にわたること(チラシ作成、ウェブサイト掲載、既存顧客への紹介など)
  • 見込み客が多いこと
  • 物件の囲い込みを行っていないこと

特に需要が限られている地域では、その地域に詳しく売却に強い不動産会社への変更が、売却活動を効果的に進めることにつながることがあります。

ホームクリーニングや整理整頓をする

内覧が頻繁に行われるものの、物件が売れない場合、内覧時の印象に何らかの問題がある可能性があります。

購入意欲を刺激するためには、ホームクリーニングや整理整頓が重要です。特に以下のポイントに注意してください。

  • 玄関は訪問者の第一印象を決定づけるため、特に丁寧に整理整頓を行う
  • リビングは広さを感じさせるために、床に物を置かないようにする
  • クローゼット内も整理整頓をして、収納力をアピールする
  • 水回りは清潔感が重要なので、念入りに掃除をする

これらの準備をしてから内覧を実施すると良いでしょう。自分で行う掃除だけでは不十分な場合は、専門のホームクリーニング業者に依頼するのも効果的です。

インスペクションを利用する

インスペクションとは、資格を持った検査員が家の現状を詳細に調査することを指します。

物件の状態が不明瞭であると、購入者が不安を感じ、購入を見送ることがしばしばあります。

インスペクションを行うことで、修繕が必要な箇所や建物の劣化状況がはっきりし、第三者が適切に評価した証となります。

これにより、購入希望者は安心して決断できるため、物件の早期売却に繋がることが期待されます。

また、インスペクションを通じて売主と買主双方が物件の現状を共有することで、引き渡し後のトラブルを避けることができます。

さらに、インスペクションの結果を価格設定に活かすことで、より公正な価格での売却が可能になります。

売却方法について

仲介経由で売却する場合と買取業者に売却する場合の流れについて

全体の流れ

買取業者に売却する場合と仲介経由で売却する場合を比較すると以下の通りとなります。

売却の手順買取業者に売却する場合仲介経由で売却する場合
相場を調べる約1週間
価格査定を行う約1~2週間
媒介契約の締結するなし約1週間
売却活動を始めるなし約3カ月~半年
売買契約を締結する約2週間~1カ月
決済・引き渡し約2週間~1カ月
全体期間約1~2カ月程度約4~8カ月程度

実家の売却において買取業者に売却する場合、仲介経由で売却する場合の第三者の買主を探す工程が不要となるため、媒介契約締結や売却活動という作業が省かれることが分かります。

仲介経由で売却する場合のメリット・デメリット

メリット

仲介経由で売却する際のメリットは「買取に比べて高価格で売却できる」という点です。

仲介においては多数の購入希望者に対してアプローチを行うことが出来るため、時間を掛けることが出来れば、一番高い金額で売却できる可能性があります。

デメリット

一方でデメリットとしては以下のような点が挙げられます。

  • 短期間での売却が難しい
  • 契約不適合責任が免責されない
  • 内覧に対応する手間や時間がかかる
  • 仲介手数料が掛かる

高価格で売却できるメリットがある一方で、売却に期間がかかることや内覧対応など煩雑なことが多いということがデメリットと言えるでしょう。

仲介経由での売却が向いているケース

ここでは仲介経由での売却が向いているケースについて紹介していきます。

  • 売却価格が最重要項目である人
  • 売却活動に一定の時間を掛けられる人
  • 内覧などの対応が苦にならない人
  • 物件が比較的新しく市場において一定の競争力が見られる事

仲介経由での売却では、時間が掛かるため時間的な猶予があるということが重要です。

さらに、物件としては比較的新しい物件であれば仲介経由での売却が向いているといえるでしょう。

理由としては、築古の物件や劣化が進む物件では市場での競争力が乏しく売却までさらに時間がかかる事や、個人が購入することは難しいという場合があります。

また、外部の人が生活空間に複数回内覧に来るため、それらの対応にストレスを感じずに丁寧に対応できるかどうかも重要になります。

これらも踏まえて自身が仲介での売却に向いているかどうかを分析すると良いでしょう。

買取業者に売却する場合のメリット・デメリット

メリット

買取業者に売却する場合のメリットは以下の通りとなります。

  • 売却期間が短い
  • 売却価格がすぐに決まるため資金計画が立てやすい
  • 内覧対応が不要
  • 契約不適合責任が原則不要
  • 築古物件でも売却しやすい
  • 仲介手数料が不要

先ほどの全体の流れでもある通り、売却までの期間が短いという点が一番のメリットだといえるでしょう。

他にも、内覧対応が不要であったり、築古物件でも売却が可能という点もメリットとなります。

デメリット

一方、買取業者に売却する場合のデメリットとしては「売却価格が仲介比べて安い」という点です。

買取業者は、購入した物件にリノベーション等の付加価値を付けた上で、利益が出るように再販を行っていくため、仲介に比べると安くなる傾向にあります。

実際には、買取価格は相場価格の6割から8割程度になると認識しておくと良いでしょう。

買取業者への売却が向いているケース

最後に、買取業者への売却価格が向いているケースについてですが、以下の通りとなります。

  • 時間的な猶予がなく早く売却をしたい人
  • 築年数が古い物件
  • 整形地ではない物件
  • 立地や環境があまりよくない物件

時間的なメリットが大きい買取業者への売却ですが、他にも様々なメリットが挙げられます。

仲介では一般の方が購入を検討するため、築古物件や住環境に適さない物件などは売却期間にかなり影響が出ます。

更に、整形地でない場合や災害警戒区域等に当たる場合も売却に時間が掛かる傾向にあるため、買取業者への売却が向いていると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

中古住宅の売却では自身の想定している売却価格とのギャップや内覧対応等、想像以上に時間と労力が掛かります。

更に、住み替えや相続などが加わるとスケジュール的な制限も出てくる場合があります。

株式会社JR西日本イノベーションズが運営する「このび」は不動産の買取再販サービスです。

売却において、このびでは査定から売却まで最短で1カ月で手続きを行うほか、築古物件や仲介経由では買い手がつかなかった物件でも買取を行うことが出来ます。

自宅の売却に関する相談がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

本記事の監修

戸建買取再販事業部 事業部長福田岳司

JR西日本に入社後、大阪駅での駅員を経て百貨店に出向し商売の基本と接客を学ぶ。その後三ノ宮駅の駅ビル開発計画推進を通じて不動産とまちづくりに従事。一度は海外で働きたいという想いからシンガポールに赴任。東南アジア各国で外国人向けJR西日本パスの販売を促進。現地法に基づく組織運営を学ぶ。帰国後はJR西日本イノベーションズ(現在)にて香港企業への出資や新規事業創出を担当。新規事業の第1号案件である「このび」を立上げたうえで事業統括・推進。自分も中古住宅をリノベーションした家に住む。
「このび」を通じてお客様に豊かな生活をコスパ良く提供したいと考えている。子育て真っ盛りの2児の父。趣味は演劇。

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